相続財産が少ない家ほど、実はトラブルが多い理由
「相続でもめるのは、お金持ちの家だけ」
そう思っている方は少なくありません。
ただ実際には、相続財産がそれほど多くないご家庭でも、相続トラブルになることは珍しくありません。
むしろ財産が少ないからこそ、話し合いがまとまりにくいケースがあります。
今回はその理由をお話します。
1. 財産が少ないと、そもそも平等に分けにくいことがあります
例えば、相続財産が
・預貯金 100万円
・築年数の古い実家 500万円程度
兄弟2人いるケースを考えてみます。
預金はすぐに分けることができます。
問題は実家です。
例えば長男が実家を相続するとします。
そうすると次男との間でバランスが取れません。
「その代わりに現金を払う」
という方法もありますが、まとまった現金がなければ難しいこともあります。
結果として
遺産分割協議
がなかなかまとまらないことがあります。
2. 「家を売ればいい」が簡単ではないことがあります
相続になると
「売って現金にすれば平等に分けられる」
こう考える方もいます。
ただ現実はそう簡単ではありません。
例えば
・築年数がかなり古い
・立地が悪く買い手がつかない
・地方で需要がほとんどない
こういった不動産は、思うように売却できないことがあります。
そして売れないからといって、そのまま放置してよいわけではありません。
空き家の管理は必要ですし、固定資産税もかかり続けます。
さらに管理不十分な状態が続くと
空家等対策特別措置法
に基づき「特定空家等」に指定される可能性があります。
その場合、住宅用地の特例が外れ、
固定資産税が最大6倍になるケースもあります。
つまり、
売れない不動産は資産ではなく負担になることがある
ということです。
3. 財産が少ないほど、感情の問題になりやすいことがあります
例えば、
・自分だけ親の介護をしていた
・自分だけ頻繁に実家に通っていた
・他の兄弟はほとんど何もしていなかった
こういうケースです。
相続財産が多ければ、ある程度調整できることもあります。
ただ財産が少ない場合。
「頑張った分をどう考えるのか」
という感情の問題が前面に出やすくなります。
結果として話し合いがまとまらないことがあります。
4. 「うちは仲がいいから大丈夫」はよく聞きます
生前は仲がよかった兄弟でも。
相続が始まると状況は変わります。
配偶者が意見を言うこともありますし、それぞれ生活事情も違います。
例えば、
「家はいらないけど現金は欲しい」
こう考えることも当然あります。
実際、ご相談でも
「うちは家族仲がいいから大丈夫だと思っていました」
というお話はよくあります。
ただ相続が始まってから考え方が変わることは珍しくありません。
5. 財産が少ないからこそ、事前の準備が大切です
「うちは財産が少ないから相続対策なんて必要ない」
こう考えている方もいます。
ただ実際には逆です。
財産が少ないほど
・平等に分けにくい
・不動産の扱いが難しい
・感情の問題になりやすい
こういった問題があります。
そのため
・遺言書を作っておく
・誰に何を引き継ぐか考えておく
・生前に家族で話しておく
こういった準備が非常に大切になります。
相続でもめるのは、お金持ちの家だけではありません
相続トラブルというと、
財産がたくさんある家庭の話。
そう思われることがあります。
ただ実際には
預金はほとんどない。
財産は古い実家だけ。
こういったご家庭ほど
「誰が家を相続するのか」
「売るのか、そのまま持つのか」
「現金が足りない場合どうするのか」
こういった問題が起こりやすくなります。
実際、
財産が少ないからこそ相続対策が必要
というケースは少なくありません。
「うちは財産がないから大丈夫」
その考え方が、一番危険かもしれません。