家を買ったことがある方なら、「決済」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
でも、
「決済って、結局お金を払う日でしょ?」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、残代金を支払う日ではあります。
ただ、不動産の売買では、それだけではありません。
売主から買主へ所有権を移し、法務局への登記申請を行うための重要な日でもあります。
そして、その場で登記について確認するのが司法書士です。
では、司法書士は決済の日に何をしているのでしょうか。
そもそも「決済」って何?
不動産の売買では、契約を結んだ日に代金を全額支払うとは限りません。
まず売買契約を結び、手付金を支払います。
その後、決済日に残代金を支払い、不動産の引渡しを受けるという流れが一般的です。
そして売買契約では、残代金の支払いを受けることなどを条件として、所有権が売主から買主へ移転するという内容が定められていることが多くあります。
つまり決済日は、単に「残りのお金を払う日」ではありません。
売買代金の支払い、所有権の移転、不動産の引渡し、そして所有権移転登記の申請を一気に進める重要な日です。
ここで司法書士が登場します。
なぜ司法書士が決済に立ち会うの?
売買契約を結んだだけでは、決済日に予定されている所有権移転の条件がまだ整っていません。
司法書士は決済の場で、売主・買主の本人確認や、登記に必要な書類を確認します。
たとえば、
- 本当にこの人が売主なのか
- 売主から買主へ所有権を移すための書類がそろっているか
- 売主が登記に必要な意思を示しているか
- 登記上の住所や氏名に問題がないか
- 抵当権の抹消が必要な場合、その手続きができる状態になっているか
- 買主が住宅ローンを利用する場合、抵当権設定登記ができる状態になっているか
といったことを確認します。
必要な条件が整ったことを確認したうえで、残代金の支払いなどを進め、司法書士が登記を申請します。
「お金を払う」と「権利書を渡す」はセット
不動産の決済では、売主と買主、それぞれに大事な立場があります。
売主からすれば、
「お金を受け取るまでは、登記に必要な書類を渡したくない」
となります。
一方、買主からすれば、
「登記できることが確認できないなら、先に何千万円ものお金を払うのは不安だ」
となります。
これは当然の話です。
売主は、代金を受け取る前に所有権移転登記に必要な書類を渡したくない。
買主は、登記ができる状態だと確認できる前に残代金を支払いたくない。
では、どうするのか。
そこで登場するのが司法書士です。
司法書士が決済の場で、売主本人の確認や登記に必要な書類を確認します。
そして、
「この書類がそろっていれば、売買代金の支払いを受けた後、所有権移転登記を申請できます」
という状態を確認します。
その確認を受けて、買主が残代金を支払い、売主が登記に必要な書類を引き渡す。
その後、司法書士が法務局へ登記を申請します。
つまり決済では、
売主「お金をもらうまでは、登記書類を渡さない」
買主「登記できると分からなければ、お金を払わない」
という双方の不安を、司法書士が登記の専門家として確認することで、同じタイミングで解消しているわけです。

住宅ローンを使う場合は、さらに重要
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合は、司法書士の役割がさらに重要になります。
買主が金融機関から融資を受け、そのお金で売買代金を支払います。
そのうえで、購入した不動産に金融機関の抵当権を設定します。
金融機関からすると、
「お金を貸したけれど、抵当権の登記ができませんでした」
では困ります。
そこで司法書士が、
- 所有権移転登記
- 抵当権設定登記
などを確実に申請できる状態か確認します。
必要な確認が終わり、登記を申請できる状態になったところで、司法書士から金融機関に**「融資実行をお願いします」**と伝えます。
そこから金融機関が融資を実行し、そのお金を使って売買代金が支払われます。
つまり、住宅ローンを利用する決済では、司法書士の確認が終わるまで金融機関も融資を実行しません。
司法書士の「融資実行をお願いします」という一言をきっかけに、実際に何千万円というお金が動き始める。
不動産決済で司法書士が担っている役割は、登記申請だけではありません。
売主・買主・金融機関それぞれが安心して取引を進められるよう、登記の面から決済全体を支えています。
売主側に住宅ローンが残っている場合は?
もう一つ、決済でよく出てくるのが「売主側の抵当権」です。
たとえば、売主がその家を購入したときに住宅ローンを利用していて、まだ返済が残っているケースです。
その場合、不動産には金融機関の抵当権が設定されています。
売買によって買主へ所有権を移すのであれば、通常はその抵当権も抹消する必要があります。
そこで決済では、
売主側の抵当権を抹消する手続き
と、
買主側の所有権移転登記や、新しい住宅ローンの抵当権設定
を合わせて進めることがあります。
売主・買主だけでなく、売主側の金融機関、買主側の金融機関、不動産会社など、いろいろな人が関わることになります。
その中で、登記を担当するのが司法書士です。
決済が終わったら、司法書士は何をする?
決済が終わったからといって、司法書士の仕事が終わるわけではありません。
決済で確認した書類をもとに、法務局へ登記を申請します。
たとえば、
売主 → 買主
へ所有権を移す所有権移転登記。
住宅ローンを利用する場合には、金融機関のために抵当権を設定する登記も行います。
売主側に抵当権が残っている場合には、その抵当権の抹消登記も行います。
法務局で登記が完了すれば、買主への所有権移転などが登記簿に反映されます。
司法書士は「決済にいる人」ではない
不動産の決済に司法書士がいると、
「書類を受け取るために来ている人なのかな」
と思われることがあるかもしれません。
でも、司法書士の役割はそれだけではありません。
売主から買主へ所有権を移すことができるのか。
抵当権を抹消できるのか。
買主の住宅ローンについて抵当権を設定できるのか。
必要な書類はそろっているのか。
本人確認に問題はないのか。
そうしたことを確認したうえで、登記を申請します。
不動産は高額な財産です。
だからこそ、「代金を支払ったのに、予定どおり登記ができない」という事態を避けるために、決済の場で司法書士が登記の確認をしています。
不動産の売買決済は、司法書士を代表する仕事の一つです。

相続や贈与の登記とは、少し違う
司法書士の仕事というと、相続登記を思い浮かべる方も多いと思います。
相続や贈与でも、不動産の名義を変更するために司法書士が関わります。
ただ、不動産売買の決済は少し性格が違います。
相続や贈与では、すでに決まった権利関係を登記に反映させる場面が中心です。
一方、売買の決済では、「これから所有権を買主へ移す」という取引そのものが、その場で進んでいきます。
だからこそ、
「売主は本当に登記できる状態なのか」
「買主はきちんと所有権を取得できるのか」
を、その場で確認する司法書士の役割が重要になります。
司法書士は、なぜ不動産売買に関わるのか
不動産の売買では、大きなお金が動きます。
そして、売買契約を結んだだけで、法務局の登記簿が自動的に買主名義になるわけではありません。
契約で定められた所有権移転の条件が整い、所有権が買主に移転するのとあわせて、法務局への登記申請が必要になります。
だからこそ、
「残代金を支払う前に、登記ができる状態なのかを確認する」
という役割が重要になります。
その確認と登記申請を担うのが司法書士です。
普段はあまり意識することがないかもしれませんが、家や土地を買うとき、司法書士はその取引を法律上の権利関係から支えています。
不動産のことで司法書士に相談したいときは
不動産の売買だけでなく、
「親から土地を贈与してもらいたい」
「相続した家の名義を変更したい」
「住宅ローンを完済したので抵当権を外したい」
「土地の名義が何代も前のままになっている」
など、不動産の登記が必要になる場面はさまざまです。
高砂市・加古川市で、不動産の名義変更や登記について分からないことがあれば、後藤司法書士事務所にご相談ください。
売買、相続、贈与、抵当権の抹消など、どのような登記が必要なのかを確認し、必要な手続きをご説明します。
「そもそも登記が必要なのか分からない」という段階でも構いません。
まず状況をお聞かせください。