ご家族が亡くなられた後、
「もう使わないから携帯電話を解約しよう。」
そう考える方は少なくありません。
しかし、スマートフォンは慌てて解約しないことをおすすめします。
現在のスマートフォンは、単なる連絡手段ではありません。
銀行や証券会社、クレジットカード会社、各種インターネットサービスなど、生活に関わる多くの情報が詰まっています。
安易に解約してしまうと、相続手続きやその後の対応で困ることがあります。
今回は、その理由についてご紹介します。
理由① 相続手続きに必要な情報が入っていることがあります
現在では、多くの方がスマートフォンでさまざまなサービスを利用しています。
例えば、
- ネット銀行
- ネット証券(NISAなど)
- クレジットカード
- PayPayなどのキャッシュレス決済
- メール
- ネット通販
- 各種会員サービス
などです。
「どこの銀行を利用していたのか分からない。」
「ネット証券を利用していたかどうか分からない。」
このような場合でも、スマートフォンのメールやアプリから手がかりが見つかることがあります。
まずは中の情報を確認してから、解約を検討することをおすすめします。
理由② 解約や各種手続きでスマートフォンが必要になることがあります
最近では、多くのサービスで二段階認証が導入されています。
契約内容の確認や各種手続き、解約手続きなどの際に、SMS(ショートメッセージ)による認証や、スマートフォンを利用した本人確認を求められることがあります。
スマートフォンを先に解約してしまうと、こうした手続きがスムーズに進まなくなる場合があります。
必要な手続きが一通り終わるまでは、安易に解約しない方が安心です。
理由③ 亡くなられたことを知らない方から連絡が入ることがあります
亡くなられたことを知らない方から、お電話やメッセージが届くこともあります。
例えば、
- ご友人
- お仕事関係の方
- 趣味の仲間
- 昔からのお知り合い
などです。
「お世話になったので、お線香だけでもあげさせてほしい。」
このようなお気持ちで連絡をくださる方もいらっしゃいます。
スマートフォンをすぐに解約してしまうと、そのような連絡を受ける機会まで失ってしまう可能性があります。
もちろん、いつまでも契約を続ける必要はありません。
しかし、少なくとも一定期間は様子を見てから解約を検討しても遅くはないでしょう。
ロック解除の方法は家族で共有しておくことも大切です
スマートフォンにロックがかかっていると、ご家族が必要な情報を確認できず、困ってしまうことがあります。
ロック解除は簡単ではなく、機種や状況によって対応も異なります。
そのため、生前のうちに、信頼できるご家族へ解除方法やパスコードの保管方法を伝えておくことも、一つの生前対策といえるでしょう。
スマートフォンも「デジタル遺産」の時代です
現在では、スマートフォンの中には、
- 写真や動画
- メール
- ネット銀行
- ネット証券
- 電子マネー
- ポイント
- サブスクリプションサービス
など、多くの情報や財産に関する手がかりがあります。
相続というと、不動産や預貯金を思い浮かべる方が多いですが、スマートフォンも大切な「デジタル遺産」の一つと考える必要があります。
まとめ
ご家族が亡くなられると、短期間で多くの手続きを進めなければなりません。
その中で、「もう使わないから」とスマートフォンをすぐに解約してしまうと、
- 相続手続きに必要な情報を確認できなくなることがある
- 解約や各種手続きで支障が生じることがある
- 二段階認証や本人確認が必要な場面で困ることがある
- 亡くなられたことを知らない方からの連絡を受けられなくなることがある
といった問題が生じる可能性があります。
スマートフォンは、今や単なる連絡手段ではありません。
相続手続きを進めるうえで重要な情報が詰まっていることも少なくありません。
「もう使わないから」と慌てて解約するのではなく、必要な情報を確認し、各種手続きの見通しが立ってから解約することをおすすめします。
相続では、ちょっとした判断が後々の手続きに大きく影響することがあります。迷われた場合は、ご自身で判断してしまう前に、一度専門家へご相談ください。