相続のご相談を受けていると、
「兄弟と何年も連絡を取っていません」
「相続人の一人がどこに住んでいるか分かりません」
このようなお話を伺うことがあります。
例えば、
・親が亡くなった
・相続手続きを進めないといけない
・でも兄弟の一人と長年疎遠になっている
こうしたケースです。
実は、この場合そのまま相続手続きを進めることができないケースがあります。
今回は、相続人の一人と連絡が取れない場合にどうなるのかを解説します。
相続手続きは一人だけで進められないことがあります
相続手続きというと、
「長男が代表して進めればいい」
「家族のことだから何とかなる」
と思われることがあります。
しかし実際にはそう簡単ではありません。
例えば、
・預金を解約する
・不動産の名義変更をする
・遺産を誰がどれだけ受け取るか決める
こうした手続きでは、原則として相続人全員の関与が必要になります。
特に、誰が何を相続するか話し合って決める場合には、相続人全員で遺産の分け方を決める遺産分割協議を行います。
遺産分割協議とは、相続人全員でどの財産を、誰が、どのように相続するかを決める話し合いのことです。
そして、この遺産分割協議は相続人の一人でも欠けていると進めることができません。
勝手に進めることはできません
ここで時々あるのが、
「長年連絡を取っていないし、とりあえずこちらで進めたい」
「兄弟は関わりたくないはずだからそのまま手続きしたい」
というケースです。
ですが、たとえ疎遠であっても相続人である以上、勝手に除外して手続きを進めることはできません。
当然ですが、
・本人の知らないところで遺産分割を決める
・勝手に署名や印鑑を用意する
こうした対応は認められません。
住所が分からない場合はどうするのでしょうか?
では、連絡が取れない相続人がいる場合、どうすればよいのでしょうか。
まず考えるのは現在の住所を調べることです。
相続手続きでは戸籍を集める必要がありますが、その流れの中で戸籍の附票などを確認し、現住所を追っていくケースもあります。
ただし、
「何十年も会っていない」
「そもそもどこに住んでいるか全く分からない」
「住民票も異動されておらず手がかりがない」
このようなケースでは簡単に解決できないこともあります。
場合によっては、不在者財産管理人の選任申立てが必要になるケースもあります。
また、長期間にわたり生死すら分からない場合には、失踪宣告という手続きが問題になることもあります。
つまり、
「連絡が取れないだけだから後で何とかなる」
というほど簡単な問題ではない場合もあるのです。
放置すると手続きがさらに複雑になります
「そのうち何とかしよう」
そう思って相続手続きを放置してしまう方もいらっしゃいます。
しかし時間が経つと、さらに状況が複雑になることがあります。
例えば、その相続人が亡くなってしまった場合です。
そうすると、その方の相続人が新たに関係してくることになります。
つまり、関係者がどんどん増えてしまう可能性があるのです。
最初は兄弟3人だけだったのに、気づけば相続人が何人にも増えている。
こうしたケースは決して珍しくありません。
相続は早めに整理することが大切です
相続手続きは、
「とりあえず家族の誰かが進めればよい」
というものではありません。
特に、相続人の一人と連絡が取れない場合は、思っている以上に手続きが進まなくなることがあります。
そして放置すればするほど、状況がさらに複雑になることもあります。
もし
「兄弟と長年連絡を取っていない」
「相続人の一人がどこにいるか分からない」
このような状況であれば、できるだけ早い段階で専門家へ相談することをおすすめします。