子ども同士が仲良くても遺言書は必要です【相続で意外と見落とされるポイント】
「うちは子ども同士の仲が良いので、遺言書までは必要ないと思うんです」
実際、ご相談の中でもこのようなお話をいただくことは少なくありません。
たしかに、相続対策というと「家族間で争いが起きないようにするためのもの」というイメージを持たれる方は多いと思います。
もちろん、それも大切な役割のひとつです。
ただ、相続は単純に“争いが起きるかどうか”だけの問題ではありません。
ご家族の関係が良好であっても、遺言書がないことで、思わぬ負担が生じるケースは決して珍しくありません。
今回は、「家族仲が良いから遺言書は必要ない」と考えている方にこそ知っていただきたいポイントをお伝えします。
相続は“争いが起きるかどうか”だけの問題ではない
遺言書というと、
「相続トラブルを防ぐために作るもの」
というイメージを持たれている方が多いかもしれません。
もちろん、その役割はあります。
しかし、実際にはそれだけではありません。
遺言書がない場合、不動産の名義変更や預貯金の解約など、多くの相続手続きにおいて相続人全員の協力が必要になります。
つまり、家族間で対立がなくても、手続きそのものに手間や時間がかかってしまうのです。
相続は「争いがあるかどうか」だけで考えるものではありません。
仲が良い家族でも手続きが進まないことがある
例えば、お子様が3人いるケースを考えてみます。
・1人は遠方に住んでいる
・1人は仕事が忙しくなかなか時間が取れない
・1人が中心になって手続きを進めている
こういった状況は決して珍しくありません。
特に相続手続きでは、
・書類の確認
・実印での押印
・印鑑証明書の取得
・郵送でのやり取り
など、相続人全員が関わる場面が多くあります。
誰かが反対しているわけではなくても、単純に手続きがなかなか進まないということはよくあります。
感情的な対立がなくても、相続手続きは止まることがあるのです。
不動産がある場合は特に注意が必要です
例えば、ご自宅や土地をお持ちの場合。
「長男が引き継ぐ予定になっている」
「家族の中では話ができている」
こうしたケースも多いと思います。
しかし、遺言書がなければ、その内容が決まっていたとしても、そのまま手続きを進められるわけではありません。
基本的には、相続人全員で遺産分割について確認し、正式な書類を作成する必要があります。
ご本人としては生前から意思が固まっていたとしても、それが正式な形で残されていなければ、手続き上は大きな違いがあります。
「家族で話ができているから大丈夫」
そう考えている方ほど、一度立ち止まって考えていただきたいポイントです。
遺言書があるだけで手続きが変わることがあります
例えば、
「自宅は長男へ」
「預貯金は妻へ」
このように遺言書で意思を明確にしておくことで、その後の相続手続きがスムーズに進みやすくなります。
特に預貯金の解約や不動産の名義変更では、その違いが大きく出る場面があります。
また、遺言書とあわせて遺言執行者を定めておくことで、より手続きを進めやすくなるケースもあります。
遺言書は単に争いを防ぐためだけのものではありません。
残されたご家族の負担を減らすという意味でも、大きな役割があります。
まとめ
相続対策というと、
「家族間で争いが起きないように準備するもの」
というイメージを持たれることが多いかもしれません。
しかし実際には、
“家族仲が良いからこそ、その後の手続きをスムーズに進めるために遺言書を作成する”
という視点もとても大切です。
ご家族の関係が良好だからこそ、
「できるだけ負担をかけない形で準備をしておく」
これは非常に大切な相続対策のひとつです。
当事務所では、遺言書作成に関するご相談から、内容の整理や文案作成のサポートまで行っております。
将来の相続について少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。