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法定相続情報一覧図とは?|相続手続きで何が便利になるのか

法定相続情報一覧図とは?|相続手続きで何が便利になるのか

「法定相続情報一覧図というものがあると聞いたけれど、何のための書類なの?」

相続の相談に来られた方から、こう聞かれることがあります。

「名前が長くて、いかにも難しそうですよね」と苦笑いされることも多いのですが、中身は意外とシンプルです。

簡単にいえば、亡くなった方と相続人との関係を、一枚の紙にまとめたものです。

相続では、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを集めて、誰が相続人なのかを確認します。

法定相続情報一覧図は、その確認結果を法務局に提出し、登記官の確認を受けたうえで、認証文付きの写しを取得する制度です。

では、わざわざこの書類を作ると、何が便利なのでしょうか。


便利なのは、戸籍を何度も提出しなくてよくなるから

相続では、一つの手続きだけで終わらないことがよくあります。

不動産の相続登記、銀行口座の解約・名義変更、証券会社での手続き、相続税の申告など、複数の窓口で手続きをすることになります。

その際、相続人を確認するために戸籍の提出を求められることがあります。

相続人が少なければ、それほど大変ではないかもしれません。

しかし、相続関係によっては、戸籍が何通にもなることがあります。

しかも、同じ戸籍を銀行にも証券会社にも提出するとなると、そのたびに分厚い戸籍の束を用意しなければなりません。

法定相続情報一覧図を取得しておけば、認証文付きの写し一枚を必要な手続きに使い回せるため、この負担をぐっと減らすことができます。

「毎回同じ戸籍のコピーを持ち歩かなくていい」と考えると、なかなかありがたい制度です。


誰が作るの?

法定相続情報一覧図は、申出人が作成します。

ただし、必ず本人が手続きをしなければならないわけではありません。

一定の親族や、司法書士などの資格者代理人に依頼して手続きをすることもできます。

ここで注意したいのは、一覧図を作るためには、まず相続関係を正確に確認しなければならないということです。

「父が亡くなったので、相続人は母と子ども2人」と思っていても、戸籍を確認すると、前の婚姻関係の子が判明することがあります。

相続人となる子がすでに亡くなっている場合には、その子の子どもが相続人になることもあります。

一覧図を作る作業は、単に名前を並べるだけではありません。

戸籍を確認して、誰が相続人なのかを確定させることが先に必要です。


どんな戸籍が必要?

基本的には、亡くなった方の戸籍や、相続人の戸籍などを用意します。

一般的なケースでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍、被相続人の住民票の除票、相続人全員の現在の戸籍、申出人の氏名・住所を確認できる書類などを準備します。

ただし、必要となる書類は相続関係によって変わります。

子どもが先に亡くなっている場合や、相続人がさらに亡くなっている場合などは、追加の戸籍が必要になります。

「戸籍を集めれば一覧図を作れる」と考えるより、まず相続関係を確認し、その関係を証明するために必要な戸籍を集める、と考えたほうが分かりやすいでしょう。


相続人の住所は書く?

相続人の住所は、法定相続情報一覧図に記載することができます。

住所の記載は必須ではありません。

ただ、住所を記載しておくと、その後の相続登記で住所を証する書面の提出を省略できる場合があります。

相続登記も予定しているのであれば、住所を記載して作成することを検討してもよいでしょう。


相続放棄をした人も、一覧図に載る?

ここは勘違いされやすいところです。

相続放棄をした人も、法定相続情報一覧図には記載されます。

一覧図は、戸籍から確認できる法定相続人の関係をそのまま一覧にするものだからです。

相続放棄をしたからといって、その人の氏名が一覧図から消えるわけではありません。

なお、一覧図によって、相続放棄をしたことまで証明できるわけではありません。

相続放棄については、別途、家庭裁判所での手続きに関する書類が必要になります。


一覧図があれば、相続登記をしなくてもいい?

そんなことになりません。

法定相続情報一覧図は、相続人が誰なのかを証明するための制度です。

不動産の名義変更そのものをするものではありません。

そのため、不動産を相続した場合には、別途、相続登記の申請が必要です。

ただし、相続登記の申請に法定相続情報一覧図を利用することはできます。

一定の場合には、法定相続情報番号を申請書に記載することで、一覧図の写しそのものの添付を省略することもできます。

つまり、一覧図は相続登記の代わりになるものではなく、相続人の関係を証明するための書類、と考えると分かりやすいでしょう。


すべての相続で必要?

いいえ、必ず作らなければならないものではありません。

相続する財産が不動産だけで、相続登記をするだけであれば、必ずしも法定相続情報一覧図を作成する必要はありません。

一方で、銀行や証券会社など、複数の窓口で相続手続きをする場合には、作っておくことで戸籍を何度も提出する負担を減らせることがあります。

相続人が多い、戸籍が大量にある、手続き先が複数ある、という場合には、利用するメリットが大きくなります。


作るかどうかは、相続の内容で考える

法定相続情報一覧図は、それ自体が相続手続きを完了させる書類ではありません。

しかし、相続人を確定させ、その関係を一枚の書類にまとめておくことで、その後の相続手続きをぐっと進めやすくなる制度です。

「作ったほうがいいのか分からない」という場合は、財産の種類や相続人の人数、今後必要になる手続きを確認して判断するとよいでしょう。

当事務所でも、戸籍の収集から相続関係の確認、法定相続情報一覧図の作成・申出まで、相続の状況に応じてお手伝いしています。

相続人が多いケースや、戸籍を集めてみたものの相続関係がよく分からないケースでも、まずはご相談ください。

高砂市・加古川市で、相続手続きについてお悩みの方は、後藤司法書士事務所までご相談ください。

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