相続について考えるとき、
「家族で話し合って、財産の分け方を決めれば手続きは進む」
このように考えている方は多いと思います。
実際、多くのケースではその流れで手続きを進めていきます。
しかし、意外と見落とされがちなのが、
“相続人の中に認知症などで判断能力が低下している方がいる場合”
です。
ご家族の関係が良好であっても、このケースでは思っていたように手続きを進められないことがあります。
今回は、この点について知っておいていただきたいポイントをお伝えします。
相続手続きは相続人全員で確認しながら進める場面があります
例えば、遺言書がない場合。
誰が何を相続するのかについて、相続人全員で話し合い、内容を確認しながら手続きを進めることになります。
例えば、
・不動産は長男が取得する
・預貯金は配偶者が引き継ぐ
こうした内容を決める場面です。
多くの方は、
「家族の中で話がまとまっていれば問題ない」
と考えられます。
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。
相続人の一人が認知症の場合、そのまま進められないことがあります
例えば、相続人がお母様と子ども3人だったとします。
そのうち、お母様が認知症により判断能力が低下しているケース。
この場合、
「家族で話がまとまったから進めよう」
というわけにはいかないことがあります。
相続手続きでは、財産の分け方について、それぞれの相続人が内容を理解したうえで確認する必要があるからです。
そのため、このような場合には 成年後見制度の利用を検討しなければならないケースがあります。
「家族全員が納得しているから問題ない」
そう考えていても、手続き上は別の対応が必要になることがあるのです。
手続きが進むまでに想像以上に時間がかかることがあります
成年後見制度の利用が必要になった場合、当然ながらすぐに手続きが完了するわけではありません。
そのため、
「相続人同士で話はまとまっているし、すぐ終わると思っていた」
というケースでも、想定以上に時間がかかることがあります。
特に影響が出やすいのは、
・不動産の名義変更
・預貯金の解約
・遺産分割協議書の作成
こうした場面です。
争いがあるわけではありません。
財産の分け方も決まっています。
それでも、相続人の状況によって手続きが止まってしまうことがあります。
家族で決めていた内容でも、その通りに進められるとは限りません
さらに注意が必要なのは、このようなケースです。
例えば、
「実家は長男が引き継ぐことになっている」
生前からご家族の中で、このように決まっていたとします。
しかし、相続人の一人に認知症などで判断能力が低下している方がおり、成年後見制度の利用が必要になった場合。
ご家族としては、
「もともと長男が引き継ぐ予定だったので、その内容で進めたい」
と考えるかもしれません。
ただ、実際には必ずしもその通りに進められるとは限りません。
成年後見人は、ご本人の利益を守る立場で判断する必要があります。
そのため、ご家族の意向だけで
「予定通り長男が不動産を相続する」
という形で進めることが、現実的には難しくなるケースもあります。
「家族の中では以前から決まっていた」
それだけでそのまま手続きを進められるとは限らない点は、知っておいていただきたいポイントです。
まとめ
相続について考えるとき、
「財産を誰が引き継ぐか」
に意識が向きがちです。
しかし実際には、相続人の状況によって、想定していた通りに手続きを進められないケースがあります。
特に、ご家族の中に認知症などで判断能力が低下している方がいる場合は注意が必要です。
場合によっては、家族の中で以前から決めていた内容であっても、その通りに進められないことがあります。
相続は、実際にその場面になって初めて気付くことも少なくありません。
だからこそ、少し早い段階から状況を整理しておくことが大切です。
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