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遺言書に書いていない財産が見つかったら、誰のもの?

遺言書に書いていない財産が見つかったら、誰のもの?

「父の遺言書には、自宅は長男、預金は次男、株式は長女、と書いてあります」

相続の相談で、こうした遺言書を見ることがあります。

ところが、遺産を調べていると、遺言書に書かれていない土地や預金口座が見つかった、ということがあります。

「遺言書に書いていないなら、その財産はどうするんですか」という問題が出てきます。

結論からいうと、遺言書で帰属先が決まっていない財産は、その財産について相続人の間で分け方を決める必要が出てくることがあります。


「自宅は長男」と書いてあっても、全部が長男になるわけではない

たとえば、父親が「自宅は長男に相続させる」「〇〇銀行の預金は次男に相続させる」「〇〇証券の株式は長女に相続させる」という遺言を残していたとします。

これだけを見ると、長男・次男・長女に、それぞれ財産を振り分けた遺言です。

ところが、父親が亡くなった後に調べてみると、別の土地を所有していたことが分かりました。

この土地については、遺言書に何も書かれていません。

では、その土地は長男のものになるのでしょうか。

なりません。

「自宅は長男」と書かれているからといって、父親が所有していた不動産すべてを長男に与えるという意味には通常なりません。

指定されているのは、あくまで「自宅」です。

そのため、別の土地について遺言で帰属先が決まっていなければ、その土地については別途、相続人の間で取得者を決めることになります。


書かれていない財産は、どうやって決めるのか

相続人が長男・次男・長女の3人であれば、この土地について、長男が取得する、長男が取得する代わりに次男と長女に代償金を支払う、3人の共有にする、といった形で分け方を決めることになります。

遺言書がある相続でも、すべての財産について遺言だけで決まるとは限りません。

遺言で取得者が決まっている財産と、決まっていない財産が残ることがあります。


「その他一切の財産」という一文がある場合

ここで重要なのが、遺言書の最後などに「その他一切の財産は、長男〇〇に相続させる」といった記載がある場合です。

このような条項があれば、遺言書に個別に書かれていなかった財産についても、その条項によって取得者が決まる可能性があります。

先ほどの例で、自宅は長男、預金は次男、株式は長女、そして「その他一切の財産」は長男、となっていれば、後から見つかった土地も「その他一切の財産」に含まれる可能性があります。

その場合、土地について改めて遺産分割協議をする必要がないこともあります。

ただし、「その他一切の財産」と書いてあれば、どんな財産でも必ず長男になる、と単純に判断することはできません。

遺言書全体の内容や、他の条項との関係を見て判断する必要があります。


財産目録に載っていないから、遺言の対象外とは限らない

遺言書に財産目録が付いている場合も注意が必要です。

財産目録には「高砂市〇〇の土地」「〇〇銀行〇〇支店の預金」などが並んでいますが、実際には別の預金口座があった、ということもあります。

このとき、「財産目録に載っていないから、この預金は遺言の対象外」とすぐに決めることはできません。

財産目録は重要な資料ですが、遺言の効力を決めるのは、遺言書に書かれた内容そのものです。

個別の財産を指定しているのか、「その他一切の財産」という包括的な指定があるのかなど、遺言書全体を読む必要があります。


遺言を書いた後に財産が増えることもある

この問題は、遺言を作った時点では財産の書き漏らしがなかった場合にも起こります。

遺言を作った後に土地を購入した、新しい銀行口座を作った、株式を取得した、といったことが起これば、その財産を遺言書に追加しないまま亡くなることもあります。

特定の財産だけを指定する遺言は、遺言を書いた後に財産が変わることまで考えておかないと、後から新たな問題が出ることがあります。

だからこそ、遺言を作るときには「今ある財産を誰に渡すか」だけでなく、その後に増えた財産や、書き漏らした財産を誰に渡すのかまで考えておくことが重要です。


財産を書き漏らしたら、遺言書全部が無効になる?

ここも誤解されやすいところです。

遺言書に一つ財産を書き忘れていたからといって、書き漏らしがある以上遺言書全部が無効になる、ということではありません。

自宅についての指定が有効であれば、その指定はそのまま効力を持ちます。

一方、書かれていない財産については、その財産の帰属を別途決める必要が出てくることがあります。

「遺言で決まっている財産」と「遺言で決まっていない財産」を分けて考えることがポイントです。


遺言書を作るときは「書いていない財産」まで考える

「自宅は長男、預金は次男、株は長女」というように、財産ごとに取得者を決める遺言は分かりやすい反面、後から別の財産が見つかったときに、その財産の行き先が問題になることがあります。

そのため、「この遺言に書いていない財産が残ったら、誰に相続させるのか」まで決めておくことが大切です。

「自宅」「預金」「株式」などの個別の財産を指定する場合には、あわせて「その他一切の財産は〇〇に相続させる」という一文を入れておくだけでも、後から財産が見つかったときの混乱を防げます。

すでに遺言を作っている方も、この一文が入っているかどうか、一度見直してみてください。


高砂市・加古川市で遺言書の作成・見直しをお考えの方へ

「財産ごとに相続させる人を決めたいが、書き漏らしがないか心配」

「以前作った遺言書に、その他一切の財産についての記載がない」

「遺言に書かれていない財産が見つかり、どう分けるべきか分からない」

このような場合には、現在の遺言書の内容や財産の状況を確認することが大切です。

後藤司法書士事務所では、高砂市・加古川市を中心に、遺言書の作成・見直しについてご相談をお受けしています。

すでに遺言書をお持ちの方も、内容に漏れがないか一度確認してみてください。

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